到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

動物たちへの薬の飲ませ方

先週のことです。フランソワルトンのオス「コータ」が下痢をしました。飲み薬をきちんと飲んだおかげで翌日には元気になりました。

人は「良薬口に苦し」と、我慢して飲みますが、自然界では苦味=毒味である場合が多く、苦いものを好んで飲む動物はほとんどいません。そこで今回は動物たちへの薬の与え方をご紹介します。

イヌやネコのように口をあけて放り込むことも出来ないため、苦味の強い薬は好きな食べ物に混ぜて与えます。
トキ等魚食性の鳥はオキアミに、シマウマ等草食動物はリンゴに、ライオン等肉食動物では馬肉に混ぜて与えます。一番苦労するのが味覚に敏感なチンパンジー です。芋団子に薬を混ぜて与えますが、苦味がちょっとでもあると、捨てられてしまう為、一回の薬量を減らして砂糖をまぶしたりと。オスの「ケン」だけは大 好物の缶コーヒーに混ぜると飲んでくれますが、こうした飼育員の努力には頭が下がります。けれども、変わり者もいて、パタスモンキーのオス「ミルクバー」 はなんと錠剤のまま受け取って食べてくれるのです。そんな無用心でいいの?とこっちが心配になります。でもみんなも見習ってほしいな、私を信じてね!

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