到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

オウムインコデイ!! ~おしゃべり上手が招いた不幸
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オトメズグロインコ

 

 

「オハヨウ!コンニチハ!」人の言葉を真似る愛らしいオウムたち。だれもが知っている鳥の仲間ですが、彼らの仲間の多くが絶滅の危機に向かっていることはあまり知られていません。

そこで全国の動物園関係者がこのことを伝えることを目的に、6月15日をオウム(06)インコ(15)の日、「オウムインコデイ」としてオウムやインコの現状について伝える活動を行っています。

 

 

 到 津の森公園のオウムの仲間は全部で7種類。絶滅の危機にあるものがほとんどです。その原因は大きく分けると「環境破壊」と「乱獲」。環境破壊の理由は農地 や材木を採るための森林伐採です。森にすむ彼らにとっては非常に大きな問題で、特にオウムの多くは東南アジアの島々に点々と生息しており、環境破壊の影響 を受けやすいのです。

そして乱獲の理由はずばり「ペットとして売るため」。人の言葉を真似るかれらはその美しさと相まって、古くからペットとして愛好されてきました。30回聞けば話せるとも言われるものまね上手、この理由はなぜでしょう?

一説によると密林にすむ彼らは他の動物や鳥の鳴き声をまねることで、敵を惑わせたり、縄張り争いをさけるなどの利点があるそうです。こうした戦略で太古から生き延びてきたかれらですが、「人間」という種にとってはあだとなりました。

 

 

到津の森公園の樹幹デッキにいるオウムたちはもともとペットとして飼われていた場合が多く、人の言葉も上手ですが、かわいい、おもしろい、だけでなく、オウムインコデイをきっかけに、彼らの歴史や現状に思いを巡らせてもらえばと思います。

 

 動物園ではこうした自然保護や命について伝える重要な役割があります。伝えること、そして今いる動物たちが少しでも幸せに暮らしてもらうことこそ、私たちの大切な仕事です。

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