到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

寿命とは。動物慰霊祭に思うこと。

毎年9月23日は「動物愛護デー」。園内を無料開放し、たくさんのイベントと多くの方でにぎわう中、郷土の森にある動物慰霊碑の前でひっそりと行われるのが「動物慰霊祭」です。

出席者のほとんどは飼育スタッフ。動物慰霊碑の前で毎年この日、これまであった様々な動物たちとの別れを振り返るひとときです。

去年1年間では28種類48頭羽の動物が死亡しました。その中から特に印象の強かった動物たちの写真を遺影として飾りました。

 

 

 

 

 

若松の競艇場を泳いでいたエゾリスの「おだくん」、北海道に生息するエゾリスがなぜ?彼の経歴は謎ですが、根強いファンにも愛され、到津で7年生きました。

 

来園時すでにおとなだったニホンザルの「チュウ」は19年。プレーリードッグの「どんべえ」はここで10年、死亡する約1ヶ月前まで病気知らずでした。

 

エゾリスやプレーリードッグは寿命がおよそ8年前後と言われています。ニホンザルも20歳は高齢です。そう考えると彼らはずいぶん長生きした、寿命だったと言えるかもしれません。

 

「こ の動物は人間で言うと何歳ですか?」と聞かれることがよくありますが、それは性成熟や寿命から換算して推定します。けれどこれまで言われてきた動物の「寿 命」は、飼育技術や獣医療が進んで行く中、次第に伸びていることは確かです(私たち人間もしかりですね)。人間で言うと100歳!といわれる年齢が実は 70歳くらいになるかもしれません。

 

私たちの仕事は「動物を健康に幸せに長生きさせる」ことです。そのためには一つ一つの死を大切に確実に次の生につなげることから。

 

 

 

彼の遺影を前に、こうした熱い思いを胸に、手を合わせました。

 

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