園長の部屋 公園だより

小雨の朝

 朝の小犬の散歩は私の役目。リードを付けて玄関のドアをあけると、どこからかキンモクセイが香ってる。秋かあ…。

 心配された台風も東の海上に抜けたらしく、こぬか雨が降ってる。そうか、小雨が降ってるから、匂いがあたりに立ちこめているんだ。春先のジンチョウゲもそうだった。冷たさの和らいだ小雨のときはよく香ってたな。傘をさすほどの雨じゃない。犬と歩く道ばたに咲くジンジャーの白い花は、雨にうたれてうなだれてるが、甘い香りは失っていない。この香りをかぐのも残り少なになった。

 毎日のことだけれど、大気を感じることは少ない。あまりに日常的だからだろうか。いやいや、日常的といえども毎日が同じではないはず。

 

 通勤が自転車になってからほぼ1年たった。少しの雨だったら乗って行こうと思ったり、午後が雨の予報でも「大丈夫!」と自転車のサドルをまたぐ。家から公園まで3㎞。しかも私の家は、公園の前に流れる板櫃川の支流槻田川の川上に位置し、川に沿って下って走るからあまり労力がいらない。もちろん帰りはのぼりだけど。その槻田川の両岸には桜の大木の並木があり、3月末、岸辺は花のトンネルとなる。そして散り始めた桜は川面を覆い尽くす。夏、川の中に咲いたカンナが彩りを添えるが、大雨の増水した力になぎ倒されてしまうこともある。しかし倒れたままのカンナでも、2~3日後にはまた一輪、また一輪とオレンジの花を咲かせる。

 川沿いの小さな道は犬の散歩道でもある。大きなゴールデンやラブラドルから小さなチワワまで、様々な犬たちが飼い主をひっぱりつつ歩き、また走り去る。玄関口に繋がれた犬もいる。この犬は玄関から半身をのりだし、いつも腕組みをして寝そべっている。

猫も多い。猫は犬に比べ臆病だ。近づくとおおかたの猫は逃げる。その中、一匹の肥ったキジトラの猫は人なつこい。こういう猫が少ないだけに、猫は少し損をしているとそう思うのは私だけかも。

 

 少しロハス(LOHAS:Lifestyles Of Health And Sustainability)になって感じたこと。もしかしたら、自分の中で失いつつある自然への感情を取り戻したことかもしれない。季節の風の香りや雨の冷たさや植物の力強さや犬や猫の優しさや…。

 

 今日も、雨を心配しつつ自転車に乗ってきた。腕組みの犬に「ワン、おはよう」と声がけする。犬はちらっと、上目づかいで見上げた。 

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