獣医さんのお仕事 公園だより

ウエンツのこと

ヤギのウエンツ。

到津の森公園で今日現在唯一治療中の動物です。

2006年7月生まれ11歳のオス。当園でのヤギの寿命は10~12歳くらいなのでウエンツは高齢のヤギです。生まれた時にクリーム色の綺麗な様子にイケメン俳優の名前が付けられました。スラッと背が高くとてもカッコいいヤギです。

 

7月から時々立てなくなり、始めの頃は介助すると立ち上がり歩いて外の通路に出ることも出来ましたが、徐々に難しくなり8月上旬からついに起き上がることさえ出来なくなりました。

 

これまで私が診てきた高齢のヤギは、立てなくなると死亡までの経過が早く、その死因のほとんどが心不全でした。

しかし、ウエンツは寝たきりになってからすでに1か月、食欲は衰えず大好きなキリン用ペレットを口元に持っていくと良く食べてくれます。

ヤギの担当者が休みの日は私がヤギの飼育をしているので、必然的にウエンツの治療と介護などのお世話をしています。ヤギのオスは50kgほどくらいなります。痩せてきたとはいえ大きな体を抱えてウレタンマットと牧草のベッドを掃除したり向きを変えたりするのは結構な力仕事。そして頻繁に水やエサを口元に運ばなければなりません。

それでも。毎朝彼が変わらず生きているとほっとします。そしてエサを一生懸命食べている様子に生きることを諦めない強い生命力を感じます。

獣医師として彼にしてあげるられることは床ずれが化膿しないように痛みがないようにするくらい。

彼から私にもらうことの方が断然多いことに気付きました。

 

命と向き合うことは簡単なことではないけれど、それでも命と向き合う素晴らしさを今日も彼が実感させてくれます。

 

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若かりし日のウエンツ

 

外平友佳理

 

 

 

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