到津の森公園

動物たちのおはなし 公園だより

飼育員のおはなし~ニホンザル編~Q&A①

みなさまこんにちはsun

1月の土曜・日曜・祝日に開催中の飼育員のおはなし~ニホンザル編~にて、

皆様から質問を受け付け、イベント中に回答する。

ということを行っていますscissors

 

イベントにて出た質問には、情けないことにその場で私が回答できなかったものもありましたので、、、

覚えている限り、質問を書き出してみましたdash

 

こちらにて回答させていただきます。

 

Q1.ニホンザルの生息数が一番多い県は?

A1. ニホンザルの県別生息数※2が公開されているのは、1978年に行われた第2回自然環境保全基礎調査による「生息情報数,群れ情報数とも長野県が最多」というものでした。しかし、50年以上も前のデータであり、現在どれほどの数がどの県に生息しているのか具体的にはわかりません。また、ニホンザルには「県境」という概念が無く山の中を移動するため、厳密に何県に何頭生息しているのかはわかりません。ご参考までに、各地にある「野猿公園」と呼ばれる半野生個体の頭数をお伝えします。

大分県 高崎山自然動物園 B群514頭C群246頭 計760頭(2025年11月時点)

長野県 地獄谷野猿公苑 約200頭(2024年7月時点)

徳島県 淡路島モンキーセンター 約350頭(2024年2月時点)

京都府 嵐山モンキーパーク 約120頭(2026年1月時点)

 

Q2.ニホンザルの雌雄を外見でどう見分けるの?

A2.オスには睾丸がついていて、メスにはついていません。

また、オトナになるとオスのほうがやや大きいです。

画像1.png

オス 

ケツ♀.jpeg               

メス

 

Q3. ニホンザルのジャンプ力は?

A3. ニホンザルにおける運動能力に関する研究※3によると、 2歳以上のサルは地上0.8m~1.0mの垂直跳びが可能であり,壁を蹴った際には2.3mの高さの餌に手が届いた。との結果があります。

 

Q4.なぜ木の皮(樹皮)をかじることができるの?

A4.「なぜ」という質問に適切な回答が、今の私には力不足でできませんでした。ごめんなさい。

参考までに、少しだけニホンザルの歯と食べ物について、お話します。

野生のニホンザルは、主に冬の食べものが少ない時期に樹皮をかじるとされています。

また、野生のニホンザルの食性と歯のエナメル質にかかわる研究※6より、葉や茎など「丈夫」な植物性の食物を多く採食する個体群では咬合面(嚙み合わさる面)が比較的平坦な表面形状を示したのに対し、堅果や種子など「硬い」食物の消費割合が高い個体群では、起伏の激しい咬合面形状を示すことが明らかになった。との記述がありました。「なぜ」という質問の答えにはなっていませんが、歯と食べるものは大きくかかわっているようです。

 

Q5.なぜ岩に座っているの?

A5.ニホンザルのお尻には生まれつき「尻だこ」と呼ばれる座布団のようなものがついています。これによって、直接お尻が岩に触れることなく、座ることができます。

画像2.png

 

Q6.なぜお尻と顔が赤いの?

A6.ニホンザルのお尻と顔は、皮膚が薄く毛細血管が透けて見えるため、赤く見えます。

繁殖期にはホルモンの影響で血流が増えるので、より赤く見えます。

 

Q7.飼育員から見て人と似ていると感じるところ、違うと感じるところは?(飼育員の主観で答えて)

A7.この回答は飼育員(ニホンザル担当大山)の主観によるものです。あらかじめご了承ください。

似ていると感じる点

ニホンザルにも「文化」があるとされています。過去に、幸島というニホンザルの生息地で「イモ洗い」をする個体が見つかりました。それから数年で群れ内の多くの個体に伝搬した。という記録があります。さらに、おもしろいなと感じるのは、10年たっても「イモ洗い」をしないのは12歳以上のオトナが圧倒的で、新しい習慣を取り入れるのを拒否している。という記述※5でした。文化を持っていたり、長く生きるほど新しいものを受け入れるのが難しくなるのは、ヒトもニホンザルも似ているなぁと、思います。

ちがうと感じる点

ニホンザルにとって、「目を合わせること」は喧嘩の合図となります。私たちヒトは、目を合わせて言葉を交わしコミュニケーションを取る動物なので、同じつもりでニホンザルの顔を覗き込むととても怒られてしまいます。この点はとても違いを感じます。

 

今回はこのあたりにしておきたいと思いますspa

質問は全部で30近くなりそうですので、少しずつ回答していきます!

 

1月の土日祝日11:30~サル山前にて飼育員のおはなし~ニホンザル編~行っております!

 

質問をしていただいた方にはささやかですがプレゼントもご用意しておりますので、、、

残りすところ1/31(土)の1回となってしまいましたが、皆様のご参加お待ちしておりますnotes

 

参考文献

※1 環境省 ニホンザルの保護・管理に関する最近の動向

https://www.env.go.jp/nature/choju/conf/conf_wp/conf05-r01/mat01.pdf

※2 環境省 ニホンザルの分布と環境要因

https://www.biodic.go.jp/reports/2-6/ad012.html

※3 京都大学霊長類研究所年報(2007),

38ニホンザルにおける運動能力の研究—ニホンザルの跳躍能力の測定—

https://files01.core.ac.uk/download/pdf/39292937.pdf

※4 東北野生動物管理センター、(株)野生動物保護管理事務所

ニホンザルの基礎生態と特定計画策定・運用のポイントについて

https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort5/effort5-3b/4_0116_saru.pdf

※5 河合雅雄著 ニホンザルの生態(2022年1月11日第一版発行)

※6 霊長類研究 Supplement 38 (0), 73-, 2022 日本霊長類学会

ニホンザルにおける歯のマイクロウェアと食性の相関性:地域個体群間の違いについて

https://cir.nii.ac.jp/crid/1390856616523790336

 

 

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