動物たちのおはなし 公園だより
里のいきもの館やそのまわりにひろがる里山ゾーンのいきものや自然についてお伝えする「里のいきものだより」
あっというまに9月になりました。7-8月には夜zoo(夜間開園)として21時まで開園していた動物園!夜の動物といえば、そう!ムササビです。ムササビガイドを開催しておりましたが、みなさま観察を楽しんでいただけたでしょうか?
わたしも日中は見れないムササビたちの活動している姿に大興奮でした!そんなムササビたちを観察して気になった「動物の行動」のおはなし。
私が特におもしろいと思ったのは、コタロー♂。
コタローは観察していると、巣箱を覗くような動きが何度もみられました。巣箱に入るわけではなく、そっと上半身だけ巣箱に入り、匂いをかいだり、顎を巣口にこすりつけたり、なめたりしている。ひとつの巣箱でなく、複数の巣箱を巡っていました。この行動はなんのためにしてるんだろう?そう思いながら動きを追っていました。
そして、コタローにはもうひとつ気になる行動が。
二度寝です。
ガイドが終わってしばらくすると大概ライトの当たるココでびよーんと伸びたり丸まったりして寝始めていました。日中ずっと寝てて、起きて、食べて、ウロウロしはじめた…と思ったら、もう今日は寝るの?と
(日中の様子はこちら。ライトの支えの細い棒の部分が二度寝ポイント)
【覗き=〇〇のため】
調べてみると、野生のムササビでも、この「覗き」行動は見られるようです。
直接顔を合わせることを避けながら相手の存在を確認したり、巣箱への訪問を誇示したり、匂いコミュニケーションとして相手の情報を得たりすることと関係しているのではないか、と考えられています。
しかし、野生下において性別や年齢などの個体情報の把握の難しさから、どんな個体がこの行動をするのか、そしてなんのための行動なのかはまだはっきり分かっていません。
そう考えると、コタローの行動もますます気になってきます。オス、10歳、7月、8月、巣箱によって頻度の違いはあるのか、時期関係あるのか、ほかの個体は観察していないときにしているのか…
ちなみにムササビの顎は黒色。
(これは健康診断のときの様子)
顎を擦り付けすぎて汚れているわけでなく、なぜかここだけ黒いのです。これまた不思議な模様だなぁといつも思ってます。
【活動の山場が過ぎたら寝る】
二度寝は一度でなく観察していたら、コタローは毎回そんな感じでした。その日のガイドが終わって、いっときしたら眠る。
採食活動が活発な時間のあとは休息する個体が目立つことも野生下のムササビの研究で報告されています。今年コタローは葉っぱをよく食べにきたのでガイド中に何度か紹介しましたが、そのあとに寝だすので辻褄は合います。食べたら眠くなるのは人間だけじゃない?
でも不思議。巣箱を覗いて確認したのに、なんで確認したところで休まず、ライトの下で休むんだろう?
さてさて、7、8月の夜Zooでのムササビのお話でしたが、なんと今年は9月19~23日のシルバーウィークにも夜Zooが!ブログをよんで興味が湧いたならムササビの観察ができるチャンスです!
ムササビガイドの時間は19:00から。今年から初めての試みになりますので、その時間にどんな動きをみせてくれるか(起きてくるのか…)楽しみな(少し不安な)観察タイム!
「覗きのコタロー」はシルバーウィークにも現れるのでしょうか?コタローの二度寝どころか、ムササビの誰も睡眠から目覚めてこない可能性もありますが、お時間あればぜひムササビたちを一緒に観察しましょう!
くどうさくらこ
参考文献:
『野外におけるムササビ(Petaurista leucogenys)の多様な巣箱利用』(2021年)繁田ほか.森林野生動物研究会誌 46.

