動物たちのおはなし 公園だより

「野生のレッサーパンダに会いに!」を開催しました。その2

 前回の続きです・・・

 

 

「その1」はこちらから→https://www.itozu-zoo.jp/blogs/animal/2019/10/9649.php

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*木の上から私たちを見ていました

 

彼(彼女?)が去ってから、出会えたこの場所を

改めて良く見てみました。

丸まっていた枝はシャクナゲの木。

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その横には苔むした大きな岩があり、

彼(彼女?)は滑りやすそうな苔をものともせず、

頭を下にスルスルと降りていきました。

 

 

私たちが観察していた場所は落ち葉が堆積した滑りやすい場所で、

その後、急斜面を手伝ってもらいながら何とか這い上がり

随分と山奥に来たもんだと思っていました。

 

ところが、まだ興奮冷めやらぬ中、

ガイドさんに付いて歩いていくこと5~10分ほど。

森から抜け出た場所に現れたのは見慣れた

参拝道でした!!

これには一同、絶句…

 

レッサーパンダに会えた喜びはこの時にはもう消え失せて、

突きつけられた現実に呆然としました。

 

 「こんなにヒトの生活のすぐそばで生きているのか…」

  と、ポツリ。

 

 

 

 実はこの参拝道の周りにはヒトの暮らしが身近にあり、

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*生息地の入り口には焼却炉とゴミがたくさん

(写真左奥から生息地の森へとはいります)

 

 

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*洗濯物も干してあります

たくさんの参拝客が往来し、ティーハウスや土産物屋さんなど

があります。そこで商売をしている人もたくさん。

 

人がいる場所には必ず

レッサーパンダの敵である犬もいます。

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 イヌたちはどれもトレッカーについて町からやってきたものが

居着き、群れています。

実際、生息地の入り口のあたりで、

群れて盛んに吠えている犬を見かけました。

 

 

レッサーパンダの死因の第1位は犬に襲われることだそうです。

また、命を落としてしまう他にも犬から移る病気も深刻な問題です。

 

 

さらに森も危機的な状況に。

参拝に来る人の為に私たちが宿泊していた

標高2800mの山小屋まで道路が切り開かれており

森が分断化しています

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*森が切り開かれ、道路がある様子

 

本来なら木から降りずに森を移動できるであろう

レッサーパンダは移動手段がない為に

この道路に降りて横断しているところを

犬に襲われてしまうこともあるそうです

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*道路を横断中のレッサーパンダ

(車の轍もみえます)

 

 

現地には電気は通っていますがガスが無いので

煮炊きには薪を使います。

薪を取るために森が切り開かれています。

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*レッサーパンダを観察した場所からすぐの森の中

 

 

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*森の木は薪に

 

人口が増え続けているネパールの人々にとって、

この薪は無くてはならないもの。

火が無くては生活できないのは日本も同じです。

 

 

 

登山中に出くわし私たちを和ませてくれた

ヤギや、ウシなどの家畜は山に離し飼いにされており

 

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*高地順応の為の登山中に突然現れたヤギたち

 

レッサーパンダのエサである笹を食べてしまいます。

 

そして、密猟も。

 

 レッサーパンダ1頭が日本円にして20万円で取引されているそうです。

ネパールの一般家庭の平均年収は2~3万円。

それを考えると一攫千金を狙った密猟も横行するのかもしれません。

 

野生のレッサーパンダはこの20年間で50%減少しているといわれています。

 

 

数を減らしているのは私たち人が原因です。

私たちは野生のレッサーパンダのいない日本で暮らしています。

なので、関係ない?

そんなことはありませんよね。

 

今回の旅で、驚いたことの一つにネパールの山は上空から見ると

ほとんどが赤茶色、つまり土がむき出しになっていました。

日本で飛行機から見る景色は緑みどりした森の様子です。

(杉などの人工林もありますが)

 

 

日本は木材のほとんどを海外からの輸入に頼っています。

自分のところは手を付けず、海外から持ってきて利用している。

日本に木材を輸出している国の山もこんな風になっているのかな

と思うと他人ごとではない。

そんなことを考えさせられた旅でもありました。

 

 

何より今回の旅で親切にしてくれたネパールの人々も生活があります。

守るべき家族もいます。

レッサーパンダやその他の生き物も守りたい!

でも、現地で暮らす人々の暮らしも大切です。

 

そこで活動しているのが、Red Panda networkなのです。

 

2回に分けてお伝えしようと思っていましたが、

長くなりそうなので、「その3」に続きます。

 

次回は、Red Panda networkの活動の様子を

お伝えします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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