到津の森公園

名誉園長の部屋 公園だより

fragile ・・・ 壊れやすいもの

昨日(7月6日)NHKのBSプレミアム午後11時から30分間、ユーミン(松任谷由実)のレギュラー番組「スーパーウーマン」を見ました。

 

ユーミンがレギュラー番組を持つこと自体がちょっとセンセーショナルなことですが、なんと第1回目のゲストは「森本千絵」。

 

千絵さんは数年前から到津の森公園の事業に力を貸してくださっています。今年、園は10周年を迎え、新たなロゴや園内装飾、イベントを千絵さんにお願いして心新たになりました。その千絵さんが第1回のゲストに選ばれたのです。すごい!!何やら千絵さんと関わりあってきた自分たちも評価されたようでとても嬉しかった。

 

その第1回目の放送が昨日あったのです。来週、再来週と続編が放送されますのでぜひご覧下さい。

 

で、その放送の中で私の中にドカンと落ちてきた言葉(フレーズ)が二つありました。その一つをぜひ聞いて欲しいと思ってこの文章を書いています。

 

それが fragile (壊れやすい)という言葉です。ユーミンは千絵さんと東京 神保町にある古書店を訪ねます。そこで二人が手にしたのは古紙で作られた本でした。ユーミンと千絵さんはとても軽いその本を手に取り言います。「fragileなものだから今日まで残ったのよね」。

 

儚(はかな)さは何も私たちの前を通り過ぎるだけのものではありません。儚さゆえに私たちの心の中に留まることが多いのではないでしょうか。現代に生活すると儚さよりもしっかりとした堅固なものに惹かれます。しかしその堅固なものは役割が終わると誰の目も触れないように壊されて行くものです。誰の目にもふれないからこそ、私たちはその堅固なものが永遠にあるものだと錯覚もします。

 

地球はこの広い宇宙の中でただ一人ぽつんと浮いているように見えます。見方によってはとても儚い。しかし、その地球の上で生活している人々はこの地球の儚さを知らないか、知る必要がないかのように、自己の満足だけを充足させようとしているのでは。どのようなものも永遠に存在し続けることは不可能です。それが数百億年であろうと数千億年であろうとその命を終わるのです。ただただ私たちにはそれが永遠のように見えるだけなのです。

 

地球は私たちが思っているよりも fragile なものなのです。だからこそ、そのように扱ってこそ、地球を後世に残すことができるのではないでしょうか。

 

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