到津の森公園

動物たちのおはなし 公園だより

里のいきものだよりvol.8〜発見、フィールドサイン!〜
里のいきもの館や、バードケージ、そのまわりにひろがる里山ゾーンのいきものや自然についてお伝えする「里のいきものだより」。桜が咲いたと思ったら、あっという間に散り始めましたね。園内の桜も、少しずつ葉桜に変わってきています。「こんなに早かったかなぁ?早くお花見しなければ!」と焦っている私。今回は桜について。
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さて、そんな桜。咲いている姿はもちろん、散っていく様子もきれいですよね。足元を見てみると、こんなふうに花びらのじゅうたんが広がっています。
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そんな景色を見ていたとき、最近ふと
「ん?」
となることがありました。
これがその場面です。
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少し想像してみてください。桜が散るときを。
ひらり、ひらり。
桜の花は、1枚ずつ花びらが散っていきます。だから地面には、花びらが残るはず。でもよく見ると、花がまるごと落ちているものが。場所によっては、それがたくさん!
例えば、園内で見られるツバキは、花がまるごとボトッと落ちるタイプ。よく似ているサザンカは、花びらが1枚ずつバラバラと散るタイプ。このように、花によって散り方には違いがあります。そして桜の「ふつう」は、花びらが1枚ずつ散るスタイル。
 
「じゃあ、花が丸ごと落ちているのは、なぜ?」
 
気になって観察していたら、花が丸ごと落ちている木には、よくスズメがやってきていました。頭上では、にぎやかなチュンチュンという声。さらに文明の利器を駆使して調べてみると、同じことが気になった人はたくさんいるようで、すぐに答えにたどり着きました。
 
ーやっぱり、スズメの仕業。
 
花のつけ根(がくの部分)をちぎって蜜を吸うため、花がまるごとポトッと落ちてしまうのだそうです。
 
ツバキの花にも、鳥たちのフィールドサイン(いきものの痕跡)が残っていることがあります。
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花びらのふちが傷んで黒く変色していたり、小さな穴があいていたりします。これは、メジロなどの小鳥が訪れた痕。ツバキの蜜を吸うとき、メジロは足で花びらつかんで頭をつっこみます。そのときのつかんだ傷が、こうして残るのです。
植物は、ただそこになんとなく生えているだけのように見えて、いきもの同士のつながりの中でくらしています。とくに花は、次世代へつなぐための「繁殖」のしくみがつまった部分。ツバキのように、鳥に蜜を吸ってもらうことで花粉を運んでもらう「協力関係」のようなつながりもあります。一方で、今回の桜とスズメの関係は少しちがいます。スズメは蜜を吸うために花をちぎってしまうので、桜にとっては繁殖戦略としての花をただ失うことになります。
同じ「鳥が花に来る」でも、それが植物にとってプラスになる場合もあれば、そうでない場合もある。調べてみるとそんな違いも分かっておもしろいなぁ!と思いました。
飼育員くどうは、またひとつフィールドサインを覚えた。
みなさんも覚えましたか?季節がすぐに変わってしまいそう!ぜひこの時期ならではの桜や園内のお花も観察してみてください。
 
くどうさくらこ
 
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