到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

動物たちのお食事いろいろ
ミルワームをもらうヨシキリの雛

8月30日に最接近した台風16号は到津の森公園にも強い風と雨をもたらしました。
その翌日、園内のあちこちに折れた木の枝が落ちていました。実はこれら「台風の落し物」は動物園では結構重宝します。
柳の枝を拾いました。この枝はアンゴラクロシロコロブスやフランソワルトンといったリーフモンキーと呼ばれるサルたちの好物。調理場にも大きなモミジの枝が置いてありました。キリン用です。
100種を超える動物がいる到津の森公園。
食餌もバラエティ豊かです。林間学園での餌と糞の話の際に用意した餌の中で、子どもたちに最も興味を注がれたのは「ミルワーム」。これは鳥の雛には欠かせ ないもので、他にも昆虫食の鳥やサルなどは大好物。正体はコガネムシなどの甲虫の仲間「ゴミムシダマシ」の幼虫、つまりイモムシです。
その他動物園ならではの、ペレットというそれぞれの動物にあわせたドックフードの様なものがあります。
サルペレットやゾウなどの大型草食獣ペレットにフラミンゴの羽根を赤くするためのフラミンゴフードなど多種多様です。
また毎日同じものだけでは動物だって飽きてしまいます。普段の食餌に加えて季節の野菜や果物、野草や木の葉も必要です。とはいえ、やっぱり本来の食餌にはかないません。各種ビタミン類やミネラルを添加する場合もあります。

食事は動物たちの一番の楽しみでもあり健康管理の原点、とても奥が深いのです。

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