到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

獣医だより-20- 予防接種

獣医にとって、病気を治すことよりも大切なことがあります。

それは、病気にさせないこと!予防できるものは予防すること!

 

そのひとつとしてワクチンを接種するという方法があります。休園中にミーアキャット全頭にワクチン接種をしたので、今日はその様子をお伝えしますね。

まず網で捕まえた後に保定して…

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足を出して…

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太ももにプス。

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こちらでもプス。

最後に伸び過ぎてしまった前足の爪を切ります。(野生化では穴をしっかり掘ることで爪は摩耗していきます。しかし、飼育下ではどうしても長くなってしまう個体がいます。爪が伸び過ぎたままだと、爪が折れてしまうことがあるため、長くなり過ぎた場合は切っています。)

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パチンっパチンっ 

はい、お疲れさま!接種後は運動などせず安静に……

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と言っても無理なほど元気いっぱいです。副反応が起きないか30分ほど様子をみて終了です。

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ミーアキャットは身体の大きさは小さいですが、力はとても強い動物です。特に鋭い歯と強靭な顎の力で咬まれると大けがしてしまいます。ミーアキャットと人が共にケガをしないようにするには、保定が何より重要です。力で押さえつけるというより、骨格を掴み口が開かないように…と言うのは簡単なのですが、保定する側はとっても大変です。力が弱すぎても強すぎてもいけない、指の位置が少しでもずれてしまうと、人が咬まれたりミーアキャットが苦しくなったりしてしまいます。

獣医よりも保定している担当者が何よりも大変なのです。

私たち獣医は担当者の手がつってしまう前に、そして動物のストレスがかかる時間を短縮するために、いかに早く的確に処置をするかしかできません。

ということで、予防は大事で獣医だけでは絶対にできないというお話でした。

 

二井

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