到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

新天地へ

この春また新しい獣舎が出来ました。
小鳥たちの「こもれびの径」とタヌキの「ぽんぽこ庭」です。

実はそこの住人たちのほとんどが園外から持ち込まれた保護動物。小鳥たちの中には翼を骨折し野生復帰が出来ない為飼育されているものもいます。

してタヌキは全て子どもの時に保護され持ち込まれたものです。
そのうちの一頭は去年このHPでもご紹介した「タヌヨ」。タヌヨはまだ目も開かず栗饅頭くらいの大きさでした。
そして最も体の小さい「タヌミ」は道路上にぽつんといたらしく、すでに目も開きお皿からミルクを飲めるくらいの大きさでしたが皮膚病にかかっていました。そのため、きれいなタヌキになってほしいと願ってタヌミ(美)と名づけました。

人に馴れてしまったタヌキは野生に戻すのが困難です。野鳥にしろタヌキにしろ安息の地が出来てほっとしました。
特にタヌキ舎は日本家屋風の軒下まであって庭付き一戸建てといった感じです。元気に動き回る彼らの姿を嬉しく思います。

ところでタヌキはイヌ科。嬉しいときは犬同様尻尾を振るってご存知ですか?「タヌヨ!」と呼びかけると今でも尻尾を振って喜んでやってきます。
普段は動物に嫌われるのが獣医、そんな私にとって最も幸せな瞬間です。
お互い、出会えて良かったね。

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