到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

獣医だより‐56‐ゾウとの関係性

ずいぶん前にこんなブログを書いていました。この頃にはトレーニング時のみゾウ達と関わっていたのですが、いつの頃からかゾウの飼育にも入るようになりました。飼育といってもゾウの飼育員としてはまだまだ半人前のため、寝室や運動場の掃除などを主に行っています。

現在、ゾウのランとサリーは午前と午後、交代で運動場に出ています(その理由についてはこちらから)。運動場に出ていない間は、2つの寝室と運動場へ続く通路で自由に過ごしています。

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通路から運動場へ掃除をするために行こうとすると、わざわざ横を向いて私を通せんぼするラン↑(最終的にはちゃんとどいてくれます)

その寝室と通路の間には溝(↓赤矢印)があります。

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この溝を上から見ると

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このような幅20cm、深さ15cmほどの溝です。昨年はこの溝の中に、孵化したばかりのスッポンの赤ちゃんやモクズガニがいました!!姿見の池からゾウ舎まで来たのか??スッポンはいきもの館が定員オーバーだったため、姿見の池に帰ってもらいました。モクズガニはカニコと名付けられ、いきもの館にいますので、探してみてくださいね。

さて、なぜこの溝のお話をしたかというと困っているからです!サリーは私がお世話に入る日に高確率でこの細い隙間にわざわざ排便するのです。

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通常は↓このように平らなところで排便してくれます。

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ゾウの消化はあまりよくなく、繊維質が多く残り植物の種はそのまま糞の中に排泄されます。野生ではほぼ一日中、食べ物を探し広範囲を歩き回って移動するため、ゾウによって植物の種が遠くへ運ばれ、行った先々の土地で発芽するため森の再生つながっています。

そして、繊維質が多いため塊にはなっていても簡単にボロボロっと崩れやすい糞です。そのため、この隙間に糞があると、とても掃除が大変です。

また、イヌやネコは排便の時に後肢を曲げてしゃがみますが、ゾウは尾の根本を上げるだけで、しゃがまずに排便します。すなわち↓この高さから排便します。

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そのため、「どうしてこの隙間に入れられるの?!わざと?!」と思ってしまうのです。

ある日、運動場の掃除が終わり寝室へ戻ろうとすると…私の後ろにいたサリーが私を追い越しながらボトッ…ボトッ…

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…等間隔に並ぶ、したてほやほやの糞…

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通路ギリギリのところで最後の1個を排便し、戻ってきました。

「わざわざ歩きながら排便しなくたっていいのに(泣)」と思いつつ、やっと全部取り終わり、寝室へ帰ろうとすると…

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はい、お決まりの通せんぼ サリー版。。

「もしやこれが知能の高いゾウの新人いじめのやり方なのか?」と思ってしまうこともたまにありますが、より良い関係を築けるよう、これからも頑張ります。

 

 

二井

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