到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

続・日本猿展!?~ニホンザルとくらすために

明けましておめでとうございます。

 

12月18日で終了した2011年秋の企画展「ニホンザルっち知っとお?~日本猿展」ですが、せっかくなので春の企画展が始まるまでのロビーが空いた期間だけ、引き続き、少しだけパネルを展示しています。

 

 

 

 

 

と、いうのもどうしてもみなさんに伝えていきたい事があるのです。

 

今、北九州市ではほぼ全域に野生のニホンザルが出没します。

到津の森公園にもこれまで何度か現れ、サル山をひやかすこともありました。

また、怪我をしたサルを治療したこともありましたし、人慣れしてしまい、野生に戻すことが出来なくなった仔ザルを預かったこともありました(ただし、去年度からは野生動物の保護受入はしていませんのでご了承ください)。

そのため、私は北九州市には野生のニホンザルがけっこういるんだな。くらいにしか思っていませんでした。

 

それが、日本猿展をきっかけに、北九州市のニホンザルの事を調べていくと、そのルーツや理由がやっと、わかったのです。

福岡県内にはもともと2か所しか生息地がなかったこと。

そのうちの一つ、田川郡にある香春岳の野生のニホンザルの一群が、今北九州市に出没しているということ。

そしてそうなった理由は、もともと香春岳の石灰岩の採掘が端を発していること・・・。

 

ニホンザルの本来の生き方は豊かな自然の中で営まれていたはずです。

それを壊したのは私たち。そしてそのしっぺ返しが今来ています。

ニホンザルの農作物への被害や人やペットへの被害といった「猿害」は、決してニホンザルが悪いわけではありません。

被害をなくし、どうやったらうまく共存していけるか?みなさんも一緒に考えていただければと思います。

ニホンザルへのメッセージカードも用意していますので、ぜひお願いします。

 

ち なみに・・・到津の森公園のニホンザルはもともと上野動物園からきた個体から徐々に増えたものです。野生のニホンザルや他の群れのサルとはケンカ、最悪の 場合は殺し合うことになりかねないので、一緒に飼育することは不可能。安易に動物園がもらえば、ということは決して出来ないのです。

 

おまけですが、動物病院の掲示板もリニューアルしました。みどころ動物ランキング!今月はどのようなランキングでしょうか?それは来てのお楽しみ。寒い季節、お越しの際はあったかくして風邪などにどうかお気を付け下さい。

 

 

 

 

 

新年、人も動物もいい年になりますように。

 

« ぽんぽこお腹の原因?
いのちをつなぐ動物ガイド »

公園だより