獣医さんのお仕事 公園だより
クロキツネザルと一緒に暮しているワオキツネザルの雄の“夜叉”。現在、26歳になり、当園では雌の“メイ”31歳の次に高齢です。
夜叉は2023年7月に左下顎の臼歯が、そして先日、右下顎の臼歯がごそっと抜けてしまいました。メイも2024年3月に左下顎の臼歯が抜けてしまい、原因は歯周病だと考えています。普段からできるだけ、歯石が付着しにくいように野草や木の葉なども与え、歯周病を予防しようとしているのですが、どうしても歯石がついてしまいます。そして、歯周病も年齢とともに増えてしまいます。
夜叉は現在、抜けてしまった歯茎の穴が完全に塞がっておらず、食渣が中に入ってしまいます。そのため、毎日朝ごはんを食べた後に口腔内洗浄を行う必要があります。これ以上悪くならないための処置ですが、もちろん夜叉にはそんなことは通じません。
飼育員と共にお部屋に入るとやや逃げますが、動きはゆっくりなのですぐに捕獲できます。たまに、高いところに行き飼育員との知恵比べにもなります(笑)
高齢で背骨や肩関節の可動域が狭くなっているため、保定もこんな風に↓
ほぼふんわり包み込む感じの抱っこです(他の若い個体ではこんな保定は不可能です!)
洗浄処置は嫌がられますが、「ごめんね、もう少し洗わせて(焦)」と言いながらできるだけ素早く行っています。
また今回歯が抜けてしまったことで、夜叉の下の臼歯は残り左右1本ずつの2本になってしまいました。これでは細かく食べ物を砕くことができません。
そのため、毎日飼育員のお手製の夜叉団子!(ふやかしペレットにすりおろしリンゴとすりおろしニンジン、煮イモを混ぜたもの)を食べています。この日はブロッコリーの柔らかいところも追加!↓(食べている動画は公式Instagram、X、Facebookをご覧ください)
歯が抜けてしまった日も食欲は旺盛でしたし、今も変わらず食欲元気共にあります!
夜叉団子をしっかり食べてもらうために、朝は夜叉が食べた後に運動場に出しています。夜叉だけ運動場に出る時間が遅くなります。ご理解頂けますと幸いです。
二井

