獣医さんのお仕事 公園だより
ちょうど1年前、カンムリヅルのことでこんなブログをあげていました。
数年前から夏になると2羽の仲が悪くなるようになってしまいました。年々、関係は悪化し、ついに去年は“ムウ”をバックヤードに隔離するほどひどい仲になってしまったため、今年も心配して様子を見ていました。
そして、心配していた通り、7月末に徐々に雲域が怪しくなってきました。
来園以来ずっと一緒に過ごしていたのに、なぜ今更…とも思いますが、数年前から“夏”限定に起こる現象。季節性があるということは、発情などと関連しているのか?
そもそも“ムウ”が♀(雌)、“カン”が♂(雄)と引き継いできたけれど、一度も卵は見たことない。本当に♂♀なのか?もしかして♂同士なのでは?!
という疑問が浮上しました。
多くの哺乳類が外部生殖器で雌雄判別できるのですが、鳥は異なります。オシドリのように(繁殖期だけですが)羽の色が異なることでわかる種もいれば、
↑オシドリの♀(左)と♂(右)
キバタンのように虹彩の色で判別ができる種もあります。
↑虹彩の色が黒い♂。当園には♂のキバタンしかいませんが、♀の虹彩は茶色です。
しかし、鳥の多くが外見では雌雄判別できません。
カンムリヅルもその一種。
外見でわからない場合、遺伝子検査による雌雄判別が一般的です。今回、“カン”と“ムウ”の採血をし、検査会社に遺伝子検査を依頼することにしました。
そして…その結果、
“カン” ♂
“ムウ” ♂
…なんと♂同士でした。
それは繁殖シーズンに関係が崩れる訳です。
去年は“ムウ”が“カン”から逃げようとして、翼を傷めてしまったため、仲が悪化する夏だけ2羽を分ける必要性があります。しかし、毎年バックヤードに引っ越すのはかわいそうなので、今年はカンムリヅルの部屋を半分に分けることにしました。
右側にいる頬が赤い個体が“カン”で、左側にいる頬が白い個体が“ムウ”です。
↑“カン”の求愛ダンス。動画もどうぞ。
夏が終わればまた一緒に過ごさせることができると思います。
しばらくの間、少し見づらいですが、ご理解頂けますと幸いです。
二井

