到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

街中では飛び立てぬ渡り鳥

毛の生え変わりや求愛行動など、動物たちを通じて季節を感じることが多くあります。オオミズナギドリの「誤着保護」もその一つ。

先週の日曜日、今年最初の1羽が保護されてきました。この鳥、普段は海上で魚を採って生活し日本近海の無人島で繁殖しますが、冬は暖かい南シナ海の方へ渡ります。その際、体力がない若鳥などが市街地に着地することがあります。
彼らは海上や海岸など広いところから助走をつけるか、木登りが得意で木の上など高いところから飛び降りる方法でなければ、飛び立つ事が出来ません。ですか ら狭い街の中、ましてやベランダなどに下りてしまうと「飛べないので連れて来ました。」ということに。つまり「誤着」なのです。去年は6件ありました。
そして困ったことに保護下では与えた餌を食べてくれません。
真っ先にすることが海へ帰すこと、海で潜って魚をとるうちに体力が回復して渡りが出来るようになります。

翌日、渡り航路の若松区の海岸へ。
砂浜にそっとおくと、すぐにぺたぺたと走り出し海風に乗って、沖合いへと飛び立って行きました。
希少種に認定されているこの愛らしい鳥、見つけた方は海へのドライブがてら「保護活動」をしませんか?

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